ぶっきー(c5takuya)です。
最近ティール組織という本が話題ですね。
僕も、組織に発達段階があるという考え方に惹かれて一気に読んでしまいました。
学校関係者の中も、読まれた方は多いみたいですね。
さっそく学校に活かそうと、記事をまとめられている方もおられました。
ブログ【生産性を上げて5時に帰る。】
#76 ティール組織を学校に
『ティール組織』を学級に当てはめて言語化したのは、日本初の試みのはずです。
①衝動型学級
②順応型学級
③達成型学級
④多元型学級
❺進化型ティール学級この価値観が多くの教育者に届くと幸いです。https://t.co/2x7EwjMFef
— さる@小学校教師/Y.SAKAMOTO (@saruesteacher) September 23, 2018
【ブログを更新しました】
☑️ティール組織ってどんな本?
☑️どうして今の環境は辛く感じるの?
☑️これからの教育はどうなるの?
10分で「ティール組織」が読みたくなるようにまとめてみました。
世界観が変わります。
本当にいい本ですよ。#ティール組織https://t.co/SNN7zbABjl— なるさわばしこ (@narusawateacher) October 7, 2018
ティール組織の本やこれらの記事を読んで、自分の学校や教室もティールのようにしてみたいなと思われた方もたくさんいると思います。
僕もその一人です。
また、僕の場合、公立ではなく、「箕面こどもの森学園」というNPO法人のオルタナティブスクールで働いているのですが、読みながら
「うちの学校、結構ティールっぽいな」とも思いました。
こどもたちが自分たちで学習を進めたり
教師も教師らしさとか気にすることなく、ありのままの自分として働いていたり
保護者や地域の方も含めて、ビジョンミーティングという学校の存在目的に触れる機会があったり。
そんなこんなで、「ティール学校」ってどんな学校だろう?というのを、本や自分の学校を参考にまとめてみようと思います。
ティール組織って?
上にはったツイートなどから、ティール組織の大枠は知ってもらえたら良いかなと思っていますので、ここでは図で簡潔にまとめたいと思います。

ティール組織の特徴まとめ

組織文化と組織システムに「ティール」の特徴が見られるものが「ティール組織」。
ティール組織の特徴は簡単にまとめると図のような感じになります。
それぞれどんな感じかイメージを膨らましてみた。
自主経営

ESBZというティール学校
ティール組織の本の中で、ティール学校として紹介されている学校があります。
EZBZという学校なのですが、その中に自主経営のヒントがありそうです。
- 先生が教壇から一方的に教える一斉授業は廃止されている。
- 生徒は、自分たちのペースで学習を進める。
- 算数でつまずいた子どもは理解できるまで算数に取り組み、比較的簡単な別の教科の時間を減らす。
- 生徒は一人で学習を進めてもよいし、本人が望めば少人数でまとまって学んでもよい。
- クラスは3学年合同。子供達同士で、学習者と先生の立場が常に切り替わる。
このあたりからわかることは、子どもたちは自分の学習を自分で管理しているようです。
また、ほかの子どもたちや先生に力を借りたり、逆に教えることもあるようです。
ぶっきーが働いている「こどもの森」でも同じような光景が見られているなぁと思います。
こどもの森では、自分たちで「学習計画」を立て、自分で学習を進め、振り返っています。
国語と算数にあたる「ことば・かず」の時間に、自分が進めているテキストを来月はどれだけ進めるか、テキスト以外のほかの学習は何をするか、などを自分たちで計画します。
ほかには、毎週末に「来週分のプロジェクト学習は何をするか」「選択プログラムは何をとるか」なども自分たちで決めます。
プロジェクト学習では、一人で木の船をつくろうとしている子もいれば、友達に声をかけ、一緒に料理やサッカーの計画を立てている人も。
1−3年、4−6年の異学年合同クラスなのもあり、関係性のなかで学習が進められているなぁと感じる場面はたくさんあります。
座席の配置は、黒板に向かって並んではおらず、班のような形で、アイランド型で配置されています。
そのため、1年生がわからなくて、困っていれば、隣の3年生の子が教えている場面が見られたり、今は来年度入学を検討している年長の体験の子が来ているので、1年生の子が教えている場面も見られたりします。
こどもたちが主体的に進めるイベントがある。
修学旅行、運動会なども、自分たちで企画進行をしていきます。
先週は選択プログラムとして、キャンプに行ってきたのですが、それもこどもたちで内容を決め、当日の進行もしてくれました。
こどもたちは、夕食・朝食・夜のお楽しみプログラム・ルール・持ち物などの担当に分かれ、4回のミーティングを経て、当日を迎えました。
当日は、自由時間に夜の肝試しのルートを考え流れをチェックしたり、
雨のため、テントで寝る予定が部屋に変わってしまったため、テント割り担当の人が自由時間に話し合い、部屋割りを決めてくれたりしました。
気になることがあれば、スタッフが声かけすることもありますが、そのほとんどが自主的に進められていっています。
キャンプの件でこどもの主体性に驚いたエピソードがひとつあります。
スケジュール担当の小4の子がいたのですが、担当を受けてくれることが決まったあと、僕はほかのチームの対応に追われ、今回の大枠のスケジュールについて、その子になんの説明もしていませんでした。
「やべ、、、次のミーティングはもうしおり閉じなのに、なんのフォローもいれてないわぁ、、」と思っていました。
とりあえず、次の日の朝話してみようと思っていたのですが、次の日の朝、その子から先に声をかけられました。
「ぶっきー、スケジュールのことなんだけど、去年までのしおりを見て一応つくってみたんだけど、これでいいかなぁ?電車の時間とかはよくわかんなかったから空けてる。」
なんと、僕が何も言わずとも、勝手にスケジュールのたたき台をつくってくれていたのです。笑
おそらく、「ことば・かず」か「プロジェクト」か自由時間のどこかで時間を割き、つくってくれていたのだと思います。
「自主経営」が行われてる学校は、このようにこどもたちが、先生の許可とか関係なしに、主体的に物事を進めている学校なんだろうなぁと思います。
全体性

働いている教員目線で感じる「全体性」。
ここでは、こどもたちが全体性を感じているかどうかは、こどもに聞いてみないとわからないので、働いている教員の立場で書いてみたいなぁと思います。
僕は、公立の学校で働いたことはないですが(教育実習は行ったことある)、教員の働いている感覚は全く違うんじゃないかと思っています。
まず、こどもの森では「先生」と呼ばれません。
こどもたちと同様に、大人も「呼ばれたい名前」で呼ばれます。
僕は「ぶっきー」とみんな呼んでもらっています。
先生と呼ばれると、なんだか上の立場から、こどもに何かを授ける人のようです。
こどもの森では、こういう上下関係はいっさいないなぁと感じています。
大人同士の関係も、こどもとの関係も完全に横のフラットな関係なんです。
そうすると、なにが良いか。
「先生」という仮面をつけずに済むんです。
「この場面では、強く指導したほうがいいかなぁ。」とか、先生として行動するということがありません。
「先生だから元気よく」とか思って変に頑張ったりしないし、こどもから聞かれたことがわからなければ、「先生だから知らないと恥ずかしい」とか思って知ってるふりなんてしないし、判断するときは、あくまで一人の「ぶっきー」として判断します。
こういう「先生なんだから、、、」っていう仮面を外して、一人のいつもの自分として関わることが「全体性」を発揮してその場にいるということなんだと思います。
こどもの森では、「こうであれ!」といった価値観の押し付けがないように感じています。
「私はこう在りたい。あなたはそう在りたいんだね。」といった、お互いが自分らしく在ることを尊重されているような気がします。
苫野一徳さんのいう「自由の相互承認」ってこういう感じなのではないかと思っています。
どんな言動をとっても、どう在っても、不当に非難されない。
だから、マイナスなことをしてしまっても、言おうと思えるし、困ったことがあったらすぐ相談できる雰囲気があるように思います。
そんな安心・安全の場があるような気がしています。
学校で働く、大人自身がそれを感じているから、「全体性」を職場に持ち込めるのではないでしょうか。
存在目的

存在目的って理解しにくい言葉だなぁと思いますが、組織のメンバー全員に向けて、ビジョンについて話し合う場に参加する機会が開かれているという感じだと思います。
「組織が将来どうなりたいのかに耳を傾け、理解する場に招かれる。」とありますが、実際に組織が話してくれるわけではないので、所属するメンバーが、組織の方向性について心を寄せ、話し合う機会があるというイメージです。
こどもの森では、運営委員会というものがあり、NPOに寄付し、会員になっている人は誰でも、自分の希望で参加することができます。
参加している人は、こどもの森のスタッフ、保護者、地域の人など本当に多様です。
そこで、年に数回「ビジョンミーティング」というものが開かれます。
そこでは、運営委員が集まり、こどもの森の今後について、1泊2日の合宿の形でとことん話し合われます。
このような機会が関わるすべての人に開かれているのが「存在目的」のある学校なのだと思います。
まとめ〜「こどもの森」結構ティールっぽいかも。〜
本にも書かれていますが、簡単にこれはティールの発達段階の組織だとは言えません。
その組織の中にグリーン的なシステムもあるだろうし、オレンジ的な文化があったり、完全にどこかに当てはまられることはほとんどないと思っています。
また、組織で働いている人もアンバー傾向の人もいたり、オレンジ傾向の人がいたり。
人も、ある一瞬をある視点で切り取って、オレンジの段階ということはできるけど、「オレンジの人」と断定できる人はいません。
それと同じで、完全にティールの組織であるということはありえないと思っています。
組織の重心がどの段階にあるということだけいえます。
そういうことを前提とした上で、こどもの森はティール的な要素はたくさんみられるような気がします。
一つの例として「ティール学校ってこんな感じかな?」の参考になったら良いなと思って書きました。
珍しい学校の形だと思うので、よければSNSでこの記事をシェアして感想を聞かせてください。
感想はリツイートします^ ^
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